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LivingAnywhere Commonsでテレワークをしながら、色んな場所を旅してみる。〜美馬編(2)〜

LAC美馬には、「うだつの町並み」のなかに合計3つの利用可能な宿泊施設があって、LAC会員はすべてを利用可能です。

滞在一週間が経過した日曜日の午後、僕はオーナーの奥さんである柴田さんから、その3つある施設のうちの一つで、LAC会員に人気が高いという「西條邸」への移動を提案していただきました。

本来であれば、LAC経由で宿泊の予約が入った場合は「西條邸」に宿泊してもらうケースが多いのだそうですが、僕がここを訪れた際、もうすでに3部屋あるその建物の居室がすでに埋まっていたために、やむなくのどけや本館を利用させていただくことになったんだそうです。

静かな空間なので、仕事をするのに適しているというのがLAC会員に人気である理由の一つであるといいます。個人的には本館の家庭的な温かい喧騒がそれなりに気に入っていたので少し名残惜しい気はしましたが、せっかくのご提案なのでお受けすることにしました。

西條邸

オーナーの奥さんである柴田さんから、お友達が経営されているという「ワタル珈琲」というカフェのことを伺っていました。

旧家や豪商の建物が軒を連ねるうだつの町並みに面した好立地に一件だけある洋館風の建物をリノベーションしたカフェで、建物の佇まいやそのハイセンスなインテリア、「サバサンド」「牛スジカレー」などのランチメニューからスイーツに至るメニューなどによって、地元の人にとっては超有名店であるといいます。

その「ワタル珈琲」の裏手の奥まった所に「西條邸」はありました。南面に縁側のある古い日本家屋風の作りの比較的こじんまりとしたお宅で、そこをのどけやさんが借り上げて宿泊施設として運営しているそうです。その縁側からは、この地域を流れる一級河川である吉野川と、その向こう側に連なる里山の美しい風景を望むことができます。

3LKという変則的な作りの西條邸は、欄間や鴨居、床の間の作りがとても繊細で美しく、女性的な佇まいがあります。おそらくかなりの建築好きの手によるものであろうことはすぐに見て取ることができました。

ここで一週間生活することができるのか。そう思うとちょっと嬉しくなりました。

吉野川をあるく

この西條邸、日本の古い家屋のご多分に漏れず、朝晩はかなり冷え込みます。エアコンが暖房器具として設置されてはいるものの、就寝時はスイッチをオフにすることもあって寒さで目が覚めるということもしばしばありました。

伝統的な日本家屋は基本的に外光を完全に遮断しません。夜が白み始めるにつれて部屋の中も少しずつ明るくなっていきます。

朝、寒さで目が覚めた僕は襖越しの柔らかな朝の光の中でそのまま布団から出て、吉野川の堤防を歩きました。季節ももはや秋真っ只中で、盆地であるこの地域の朝は、晴れた日などには冷え込みが一段と厳しさを増します。

堤防に出るまでの間にあるコンビニエンスストアでホットコーヒーを買って、そのコーヒーで両手を温めながら吐く白い息と一緒に眺める吉野川はとても美しいものでした。

うだつの町並みがある脇町は、この吉野川の水運を利用して栄えた町です。

僕が新しく滞在することになった西條邸は、付け替えられる前の旧吉野川に面していたそうです。この地域の物流を担う一大集積地であった脇町と共にあったこの川に、このうだつの町並みは本当によく似合う。そんな事を考えながら朝のクリスプな空気の中を歩きます。

この吉野川の堤防から見る夕日も、とても美しいものでした。仕事が終わったあとは、僕は必ずこの夕日が見える時間帯に、一時間ほど、この川の堤防を歩きました。脇町の、端正に整えられた「うだつの町並み」の思い出は、だから僕にとっては吉野川を歩いた思い出ととても重なっています。

アドレスホッパー

この時期の僕のように特定の住む場所を持たず、生活の場を転々としながら働く人のことを「アドレスホッパー」と呼びます。

かつては「ノマドワーカー」などと言ったりしましたが、そういうライフスタイルを示す語が新たに私たちの語彙に加わったことに、このコロナ禍における時代の急速な移り変わりを感じます。

インターネットに接続できれば、基本的にはほとんどの業務がリモートで可能になる。そういう新しい時代の「NEW NORMAL」も、ずいぶん定着してきたように思われます。

日曜日の午後、のどけや本館から西條邸に移動するにあたり、この日チェックインしてこられた男性をご紹介いただきました。欧米の企業にお勤めのエンジニアで、旅が大好きだといいます。

コロナ禍で一時帰国を余儀なくされたその男性は、帰国と同時に思い切って日本の住居を引き払って、各地を転々とつつ海外の勤務先とインターネットで繋がりながら仕事をするアドレスホッパーになったとのことでした。時差の関係で、始業時間は朝の7時です。

そんな彼、海外在住時は、その地の利を生かしてヨーロッパ各国を旅して回ったそうです。そうして旅を続ける中で「日本の美しい景色ももっとみてみたい」と思うようになったといいます。

この感覚は、僕にもとても良く理解できます。世界を旅して回っていると、だいたいどこかの段階で「日本を旅してみたい」という思いにとらわれるのは、いわば「旅人あるある」だからです。

僕自身も、世界一周を終えたあとはフィリピン・セブ島に定住し、週末や連休を利用してよく近隣の東南アジアの国々を旅したものでした。そして海外で過ごす時間と、訪れた外国の数が増えれば増えるほど、日本を旅して回ってみたいという思いが強くなっていきました。

そんな彼と、僕は仕事が終わってから、趣のある西條亭のリビングで、色んな話をしました。仕事のこと、旅のこと、海外という文化や習慣の違う環境で暮らし、働くということ。そんな僕たちは、このコロナ禍で一気に普及したテレワークの恩恵を、ある意味では最大限に受けながら、自分たちが望む場所で仕事をしていたのでした。

とても穏やかな語り口で話すその彼と、僕はずいぶん意気投合しました。LACの拠点をめぐりながら、日本の四季を感じ、その土地の美味しいものを頂き、その場で出会った人々との交流を楽しむということ。

そしてその彼が、この美馬にやってくる前に滞在していたのが、僕の次の目的地である津山だった、という偶然。こういう偶然もまた、旅をしながら各地を転々としているとよく起こる偶然です。

LAC津山へ

そんな彼から、僕の次の目的地である岡山県津山市の情報をたくさん仕入れて、僕はここ美馬をあとにしました。津山は焼き肉が有名ですよ、津山城からの眺めは悪くないですよ、LAC津山はとっても快適なところですよ。。

偶然ついでに、僕が2月末まで生活していたセブ島で仲良くしていた知人の男性が、サーフトリップで四国高知に来ており、これから実家がある九州の福岡に帰るというので、美馬によって僕をピックアップしてくれるといいます。

ほんの少し色づいてきた山々の木々を眺めながら、山あいの道を抜けて香川県に入った僕たちは、丸亀市で讃岐うどんに舌鼓を打ったあと、JR津山線の始発駅である岡山駅に向かいました。

二人の旅人との偶然の出会い、再会を経て、なんだか少し温かい気持ちに包まれながらJR津山線に乗って、僕は次の目的地へと向かいます。

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