【東京⇒地方】移住先候補はどこ?人気が高まる山梨県の魅力を解説
コロナ禍をきっかけに東京から地方へ移住する動きが加速し、世間では人気の移住先に関するさまざまな調査が実施されています。認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表している『移住希望地域ランキング』もそのひとつです。
今回は、同調査でランキング上位の常連である山梨県についてピックアップ。2016年には堂々の1位に輝いたこともある人気の都道府県ですが、反対に人口減少率や空き家率の高さが際立つという二面性を持っているため、実際のところ移住先としてはどうなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論を先に述べると、仕事を主軸に置いた都内からの移住先としては申し分ない条件が揃っています。そんな山梨県の魅力について、ビジネス視点を交えながら解説していきます。
人口減少率や空き家率の高さは移住先としてネックにならない
まずは、冒頭で述べた山梨県の悪いイメージに対する誤解を解いておきましょう。実際に、年初に発表された『山梨県常住人口調査結果』では、総人口は平成中期から減少の一途をたどっていることは明らかです。しかしながら、直近の結果を見ると、人口の減少は死亡数による自然増減の影響が大きく、社会増減に絞れば転出者数を転入者数が上回っていることがわかります。
また、空き家率が高いと聞けば一見ネガティブな印象を受けますが、移住先として考えればそれだけ住む場所の選択肢が多いということなので、必ずしもネックになるとは言い難いのではないでしょうか。
地方移住先に選びたくなる山梨県の魅力とは?
富士山や甲州ワインなど、世界的にも知られている観光地や特産品がある山梨県ですが、もちろん魅力はそれだけではありません。ビジネス視点で考えると、総合的にバランスが取れた土地であるということがわかります。
交通利便性の高さ
東京の会社に勤務しながら地方でテレワークを行う働き方を前提とするならば、万が一の際にも無理なくオフィスへと出社できる立地条件はマストです。新宿から高速バスを利用すれば、富士五湖方面は2時間弱、甲府方面は2時間強でアクセスできます。
都内までの通勤や日帰り出張も十分に可能な立地ですが、テレワークでよくある月に数回程度の出社が必要な場合には、ちょうど良い距離間ではないでしょうか。
豊富な観光資源
地方移住の醍醐味といえば、東京では考えられないような豊かな自然環境が生活圏にあることです。山梨県には海こそありませんが、富士山や富士五湖、八ヶ岳、南アルプスなど少し足を延ばせば自然を感じられるスポットがたくさんあります。
加えて、県内には有名な観光地が点在していますので、休日の予定には事欠きません。ファミリーで観光を楽しんだり、友人と一緒にアクティビティを満喫したりと、地方移住のメリットを最大限に享受できること間違いなしです。
東京からの移住先としておすすめしたい山梨県の市町村3選
ここからは、東京からの移住先としておすすめしたい山梨県の市町村をご紹介していきます。今回は、自然環境と仕事環境に着目して3つの市町村を厳選しましたので、具体的な移住先についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
北杜市
ひとつ目のおすすめ市町村は、山紫水明の里として知られる北杜市。南アルプス・奥秩父・八ヶ岳をはじめとする壮大な山岳域の迫力を肌で感じることができる人気のエリアです。
ミネラルウォーター生産量日本一を誇る名水の里でもあり、夏期には優雅に飛び交う国蝶オオムラサキの姿を見ることができます。地方移住らしさを求める方にとっては、まさにピッタリの自然環境と言えるでしょう。
また、市内には地方型サテライトオフィスと宿泊機能を持つ共同運営型コミュニティ『LivingAnywhere Commons』の拠点もありますので、気になる方は、まずはワーケーションからチャレンジしてみるのも良いかもしれません。
富士吉田市
続いてのおすすめ市町村は、富士山と五重塔でお馴染みの「新倉山浅間公園・忠霊塔」や、世界一のアトラクションを多く備える人気のアミューズメントパーク「富士急ハイランド」がある富士吉田市です。
周辺を富士五湖に囲まれた土地ということもあり、観光地として人気が高い街ですが、生活利便性が高いコンパクトシティであることや、仕事環境が整った地方テレワーク都市としての側面も見過ごせません。
市内には、全国どこでも定額制で住み放題の多拠点コリビングサービス『ADDress』や、先述した『LivingAnywhere Commons』の拠点もあり、地方移住の視察がしやすいことも魅力的です。
甲州市
最後のおすすめ市町村は、山梨県を代表する特産品である果樹生産が盛んな甲州市です。とりわけモモとブドウのイメージが強いですが、サクランボやイチゴの生産も年間を通して行われている同市は、まさにフルーツパラダイスと言っても過言ではありません。
また、世界でも高い評価を得る勝沼産甲州ワインの産地でもあるため、ワイン好きにもたまらない土地です。毎年10月10日が「甲州ワインの日」と定められており、11月3日が新種ワインの解禁日となります。
市内には、市が運営するお試しサテライトオフィスとコワーキングスペースがありますので、仕事環境も整っています。個人利用だけではなく、地方オフィスの開設を検討している企業の担当者にも足を運んでいただきたい街です。
東京都から山梨県への地方移住で失敗しないために心掛けるべきこと
山梨県に限らず、地方移住では仕事環境や生活利便性、自然環境の総合的なバランスが大事です。本記事でご紹介した市町村は、いずれもこれらの条件が揃う関東圏でも選りすぐりの移住先候補ですが、やはり事前のチェックは欠かせません。
特に、東京からの移住となれば車の有無も重要な判断基準となります。まずは現在の状況と現地の環境を照らし合わせて、無理のない生活ができるか検討することが重要です。もし可能であれば、移住前に何度か下見を重ねておくと安心でしょう。