⼭梨県⽴富士北稜⾼等学校で、「地元で働くこと」について授業させていただきました!
こんにちは! ドットワーク富士吉田の運営責任者の北田です。
先日、山梨県立富士北稜高等学校で、「地元の企業や地元で働く魅力」について授業させていただく機会がありましたので、授業の様子をお伝えします。
◆概要
学校:山梨県立富士北稜高等学校
学年:1 年生(約40 名×3クラス)
実施日:2021年 11 月 9 日(火)9:55~12:45(1~4 時間目)
授業名:地域キャリア授業
授業の概要:卒業後の半数が社会人として働く北稜高校の生徒(1年生)に対し、地元の企業や地元で働く魅力を知る事業を実施し、地域にある企業を知るきっかけとする。
先生の数:7 名
◆授業の流れ
大講義室にて、生徒が入れ替わり計3回の授業
1年生の皆さんはあらかじめ「どの業種の人の話を聞きたいか」を選び、3つの授業までを選択し、様々な授業を聞くことが出来ます。
キャップクラウド株式会社の授業(業種:IT)では、各3回の授業において、それぞれ約40名程の生徒さんが集まってくれました。
◆ 高校1年生の皆さんに伝えたこと
各業種の先生が必ず伝えることは、以下4つでした。
1)自己紹介、生い立ち
2)仕事内容、やりがい
3)人生のターニングポイント
4)皆さんに伝えたいこと
今回は私が生徒さん達に伝えたことをかいつまんで紹介したいと思います。ちなみに私の自己紹介ブログもあるので、ぜひこちらをチェックいただいてから読んでいただければ嬉しいです^^
◆ 人生のターニングポイントを経験して、働き方、人生の方向、価値観が変わった
人生のターニングポイント①:東北大震災後、校舎の片付けから始まった高校1年生時代
2011年3月、東北大震災が起こりました。故郷である岩手県盛岡市に住んでいた私は、津波で被災こそしなかったのですが、日常が戻るまで期間を要したことを今でも覚えています。
特に、胸を躍らせていた高校入学が、イメージとは異なりすぎてびっくりしました(笑)
私の高校生活の1日目は、名前も知らないクラスメートと、校舎の片付けから始まったのです。そのおかげか、クラスメートとの絆が強くなり、助け合いの精神を重んじるようになった結果、フェアトレードのボランティア活動を始めたり、高校生外交官としてタイの被災地に赴き励ましあいの機会を得たり…
精力的に様々な事に挑戦した高校生活になりました。
人生のターニングポイント②:フランス留学で受けた人生初の人種差別
「シャルリエブド事件」を始め、フランスやヨーロッパでテロが相次いだ2015年。その直後に私はフランスのパリへ留学しました。道を歩いているだけで罵られ、レストランでくすくす笑われたり、日本で生きていて平和ボケしていましたが、”こんな世界があるんだ。そして差別に生まれながら苦しんでいる人もいる。それがテロを起こした人たちだ…”と気が付きました。
それと同時に人の優しさにとても敏感になれるようになりました。ドアを開けておいてくれる人、注文の時に優しく話しかけてくれる人、ウィンクしてくる子供、日本文化を心から理解してくれようとする人。この留学経験を通して、今まで気が付かなかった人からの優しさが心に染みて、帰国後には”嫌な事してくる人にはとびっきり優しく接する”ポリシーが私の中に出来上がりました(笑)
人生のターニングポイント③:海外大学院入学、移住、転職を「やってみよう!」精神で決めたこと
皆に「それはやばい」とよく言われる決断です。いまだに自己紹介すると驚かれます(笑)
ただ私がフランスに住んでいた時、大学院に通いながら働く人はたくさんいたし(大学院まで学費が無料ということがミソですが)、大学院6個卒業したという強者など、たくさんの先駆者がいました。
だからこそ私も一歩踏み出せたという事実もあります。
仕事内容とやりがいについて「自由な場所で自由に働ける環境は罪じゃない。働くって生きること。」
生徒の皆さんに、将来を考えるとわくわくするか聞いてみました。あまりそういう風に感じている子たちはいないようでした。悲しいですね。
理由を聞くと、「ずっと働かなければいけない」「何がしたいか分からないけど、とりあえずお金は稼がなきゃ」…これは私も思っていましたが、そういう典型的な”縛られた”働き方がやはりあるようで、親の世代を見て感じたことを赤裸々に語ってくれました。
少しでも彼らの将来のイメージを明るくしたい。そこで、授業で私たちの仕事の内容を伝えました。
つまり、「ITの力で従来の働き方を変えていく」というメッセージです。
目指すのは「人が集まる富士吉田」。地元にいても異業種交流ができて、まちのあらゆる場所で仕事ができる”富士吉田”を実現。
私たちは今、富士吉田のコワーキングスペースを運営し、その場所を通じて「働き方の選択肢を増やす」というメッセージを伝え続けています。
従来の働き方ではこれからの時代に必要な適所適材が実現できません。働き方に柔軟性を持たせることは、会社の利益、個人の利益にもつながります。また、コロナ禍においてオフィスや通勤の概念は変わり始めています。
「仕事は環境さえ整えばどこでもできる」という事実にみんなが気が付き始めたのです。さらに言うと、通勤列車のストレスがない方が業務効率も断然上がりますしね。
そこで私たちは、富士吉田のコワーキングスペースに首都圏からのリモートワーカーを呼び込み、地元に新しいスキルや能力を持った人たちにコミュニティ育成してもらい、関係人口を増やすことで収益を拡大し、かつ外部の人材が地域づくりに関わり、最終的に地方活性化に寄与する活動を行っています。
生徒さんたちは目を真ん丸にして聞いてくれました(笑)
自分たちの地元が首都圏や外部からのリモートワーカーで溢れ、今までにないものや試みが生まれ、物足りないと思っていた地元での生活が変わるかもしれない、と期待を持ってくれていたようでした。
生徒さん達に伝えたこと「自分の可能性は意外と簡単に拡げられる」「お金ってただのツールで、幸せになるための道具に過ぎない」
私、高校の数学で20点ばっかり取ってるような子だったんですね。勉強が何に役立つか、自分が何になるかも真っ暗でわからなかった。特に狭い地元で大学に行っている人に会う機会もなく、将来への期待もなく生きていました。
大学院に入学予定だったのですが、フランスの法改正で難しくなり、外資系の企業へ急遽就職しました。そこでは、頑張れば頑張るほど給与が上がる環境が当たり前でした。
最初はインセンティブのためにひたすら働いていましたが、仕事後も絶えず案件について考えている自分が「生きることを楽しめていない」という事実に気が付きました。
そんな中、外国語を学ぶ過程で出会った様々な人との出会いを思い出しました。そして世の中には、生き方の選択肢がたくさん存在すること、何より 「高学歴じゃなくでもいい、有名な会社に行かなくてもいい、自分の幸せを追求していい」ということを、出会いを通して学んだことで、生きるのが楽になりました。
私たちはそのどれを選んでもいいのだと、自分の中で考えが落ち着きました。結果的に自分のやりたいことが見つかり、今は幸せを実感できています。
65%の子供は、将来今は存在しない職業につく
この数字を、生徒さんたちに伝えました。だから、自分が何になるかなんて今わからなくてもいい、悩んでもいい、自分が幸せを感じることがなんなのか、じっくり考えて欲しい。これが私のメッセージです。
きっとこの先思いもよらない変化が起こって、当たり前が当たり前ではなくなります。
だから常識を押し付けず、自分が何をしたら人生が充実して、豊かになって、生きたことを実感できるか、そういうことを体現できる大人に、私もなりたいと、生徒さんたちの最後のキラキラした表情を見て思いました。
富士北稜高等学校のみなさん、かえる舎の方々、この度は貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました!